孤独を誘うやっかいな持ち物、携帯電話

番号もアドレスも電話帳から削除したよ

でも、意味ないの

おぼえきってしまった数字とアルファベット



もう二度とメールも打たない電話もしない

そう決めた直後から

携帯を握りしめてばかりいるなんて



着信履歴の日付がどんどん昔になっていく

いまでもあの人からの電話を待ってる

奇跡が起これ と祈りながら



なぜ終わってしまってから気付くのだろう

大切なことのすべてに





あの頃のしあわせが

後から後からわかってしまう いま頃…



ひとりでいると

次から次へと思い起こされる

あの人との幸せだった数々のできごと

わたしはこんなにも記憶力が良かったんだ、と

自分でもびっくりするくらいおぼえてる

ほんとうに些細なことも



あの人と初めて逢った日の

その瞬間のよろこびも

今でもはっきりとおぼえてる




なぜ終わってしまってから気付くのだろう

大切なことのすべてに