わたしを困らせて、イラつかせて、むかつくけどやっぱり好き

今日は曇り、昨日はあんなに晴れてたっていうのに。
ジャケットを着てモニタに向かうのはなんだか窮屈で、黒いボタンのついた白いシャツ1枚でカタカタと仕事を片付ける。此処はとても寒いので、なんとなくのイメージなのだけど『もぐらのすみか』と呼んでいる。
冷える体に自宅から持ち込んだ小さめの毛布を巻き付けてモニタに向かう。
ふいに友人との会話を思い出す。ばかだなあとニヤけながら。




そういえば、最近のわたしはとてもイライラとしていて、些細なことでも癇に障る。
どうしたっていうのだろう。感情の起伏が激しいのは自覚しているけれど、ピリピリとした気持ちが続き、あまりにも下らないことで爆発しそうになる。原因は、あの男。わたしを困らせるあの男。


昨晩、もうしないとわたしに誓ったことを破って私の嫌がることをした。
差し伸べてくる手を冷たく振り払い、背を向けて彼の声なんて完全に聞こえないふりをした。
わたしは基本的に根に持たない。
喧嘩をしても翌朝には何も無かったように おはよう。を言って、また新しい日を始めたい。
そういうタイプだと自分では思っているけれど、今回は違う。彼は約束を破ったのだ。これには立腹だ。
そういうわけで、今朝は起きてからも顔を合わせようとせず、おはようすら言わず、完全無視続行。


でも、わたしも鬼じゃない。いい加減彼が可哀相になってきて、仕事に出かけるのを見送ることにした。
でも、腹の虫は収まったわけじゃない。
行ってきますのキスをする為に彼がわたしを引き寄せる。
わたしは体をこわばらせ、彼に引っ張られないよう力を入れて距離を保つ。




あやまって。
え?なにが?
昨日のこと謝って。
あ、うん…、ごめんね。
そんなんじゃ足りない。
ごめんって。
まだ足りない、むかつく。
どうすれば許してくれるの?
…。



彼はまたキスを求めてくる。

わたしはすかさず自分の両手を彼の両頬に、親指と人差し指を使ってあいつの頬を思い切り掴む。
そのままねじる。
痛がる彼。ごめんなさいを言いながら痛がる彼。心の中で、ばーかと一言。
腹の中にたまったイライラにはやっぱりこれが一番だな。




って友達が言ってました。
わたしの周りにいる友人たちはほぼ全員がこんな感じで子供のような人ばかりなので、そのおかげでわたしはとても幸せなのです。