背骨が痛すぎる

今日はあまりにも寒かったので職場でストーブを引っ張り出してきてスイッチをオンにしました。あったかいねストーブ。幸せな気分になる。
しかしストーブが使えるのは事務所だけなので、いったんフロントに出るとそこは冷え切った世界。川に面した建物のくせに、下手にキャンプ場を気取って窓を全開にしているのでばかじゃないの!と思いました。死んじゃう。
平日だし天気悪いしお客さん来ないだろ、と思い、たくさんある使い古した軍手の指先の部分だけ切り落とし、それを着用し、書き仕事やら掃除やらシール貼りやら内職やら節約やらやりくりやら家計簿をつける等の作業をもそもそとしていました。

ふと思い立ち、エントランスに並べられた商品の補充をしていたら「こんにちは」とさわやかな声が聞こえたので振り返って見てみると、そこには10月の曇り空がとっても似合わないスーツ姿のさわやかなお兄さんが立っていました。5月…、あんたには5月の青空が似合いだよ。と思わせるようなさわやかボーイが立っていました。
その時のわたしの格好ったらない。
・ねずみ色のパーカー(仕事用)
・履き古したジーンズ(仕事用)
・当然のようにすっぴん(仕事用)(仕事用?)
・指先のないきったない軍手(仕事用…?)
これはないなあ、と思いながら、このお兄さんはなんでこんなとこに来たんだろう…。などと考えていたのですが、よく考えたら今日は「取材の人が来るよ」って部長が言ってたんだった。いやあうっかり忘れていたよ。

というわけで、事務所に逃げるように引っ込み、予約のメールを処理したり、引継ぎ事項をノートにまとめたりして、なんとかお兄さんとのそれ以上の接触を避けました。かっこよかったなあ、あのお兄さん。
ある程度仕事が片付いたので休憩室に行き、缶コーヒーを買ってたばこを吸おうと思いシガレットケースを開けたら中は空だったので、辺りを見回し誰もいないのを確認してから灰皿の吸殻を拾って吸いました。職場でたばこを吸うのがわたしだけなので、灰皿はわたしのたばこの吸殻しかないのでよくやります。よく、ある、パターン、です。女がやるとドン引かれるのは何故ですか。

そこへ上司の山口さんが来たので、かっこいいお兄さんが来て恥ずかしい思いをした事だけを話したら、その事には一切触れず、わたしの(指先のない手袋をして、シケモクを吸い、缶コーヒーをすする)様子を見て「まるでルンペン」とだけ言い放ち、休憩室を出て行きました。
今日1日の呼び名は「ルンペン」でした。
「ルンペンちょっと来てー」とか言われた。


今日のお兄さんの会社の雑誌ではありませんが、10月3日発売の「たびえーる 関東版」という雑誌の特集記事に載りました。キャンプ場の人、という設定ではなく、です。
雑誌の人が取材に来たと思ったら「モデルが足りないんでー、一緒に写ってもらえないっすかねー?スタッフさんとしてじゃなくてー、普通に楽しんでもらえばいいんでー。」と言われ、部長命令で泣く泣く「河原でバーベキューを楽しむ人」を演じました。当然、その時もすっぴんでした。
その雑誌の撮影があったのは、真夏の8月半ば頃だったと思います。が、「もーうしわけないんですけどー、秋に出る雑誌なんでー、これ!着てもらてもいっすかねー?」と七分丈の、サイズは小さめのカーディガン的なものを手渡され、わたしは試しにそれに袖を通してみたのですが、仕事用の少し大きめのTシャツを着用していた為に、肩の辺りがモッコモコになりました。そんな、肩のあたりがモッコモコになった状態で炎天下の下、太陽熱が河原に転がる石に反射してちょう暑いのに、とっても楽しそうに、引きつったすっぴんの笑顔を作り、ぬるいっていうかこれもうお湯って言ってもいい温度じゃね?と思えるようなビールを手に、乾杯しているわたしが載っています。

一緒に写ってくれっていうのならば、事前に言っておいてほしいと思います。
あと、(かっこいいお兄さんが)来るなら(かっこいいお兄さんが来るって)事前に言っておいてほしいと思いました。